平成経済史 2009 12 13

 現代人にとって、現代史は暗黒かもしれません。
どんな歴史だったか、学校はもちろん、誰も教えてくれないでしょう。
本当は、中世の歴史よりも現代史の方が重要でしょう。
 どうやって、現代史を学ぶか。
新聞の縮刷版を10年分読めば、
この10年は、どんな歴史だったか、わかるでしょう。
しかし、それは、一般の人には無理でしょう。

書名 平成経済20年史
著者 紺谷 典子  幻冬舎新書

 この本は、平成の20年間を歴史として振り返っています。
著者は、平成という時代は、「改革」に明け暮れた時代だった。
そして、改革するたびに、生活は悪化したと指摘しています。
 なぜか。
確かに、改革は必要だった。
しかし、改革という美名がついているものの、
中身は、単なる歳出削減だった。
だから、改革をするたびに、生活は悪化した。
 著者は、この本の中で財務省を批判していますが、
これは、間違いだと思います。
 そもそも、財務省というものは、
どのような経済情勢においても、
歳出削減を叫ばなければならない宿命があります。
そんな財務省に政策を丸投げした政治家に責任があります。
 夕方、国会が終わったら、料亭や高級レストランへ直行する。
これは、夕方、学校が終わったら、ゲームセンターへ直行する子供と同じです。
 政策はわからないが、政局は得意だ。
そんな政治家が山ほどいたのです。
 「政策」の部分は、財務省に丸投げだった。
しかし、財務省は、省の宿命として、
どのような経済情勢においても、
歳出削減に取り組まなければならない。
その結果、改革をするたびに、国民生活は悪化した。

アナウンサー announcer 2003 9 19
 アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことです。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーです。
 まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して用意してあります。
もちろん、能力がある人は、
官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は、必要ありません。
 次に、大臣の「談話」や「コメント」も、基本的に、官僚が作成しています。
 さらに、国会答弁。
これも、官僚が、事前に答弁書を作成して、用意してあります。
 なぜ、事前に答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前にわかっているのです。
 だから、若手官僚が、質問する予定の議員のところへ行って、
事前に質問内容を聞いてくるのです。
 ここは、野党議員も、癒着していますので、
質問内容を、事前に官僚に教えてくれます。
 そこで、教えてもらった質問内容を、官僚は省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
 詳しくは知りませんが、
課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、課長と協議して、
最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
 何日か後の国会で、予定された質問を、
野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという「芝居」です。
 大臣、官僚、野党議員と長年に渡る「癒着構造」です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、
事前に教えた質問とは違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は立ち往生して、
後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
 また、何かの記念式典で、
大臣が、よく、あいさつしますが、
この「あいさつ文」も、官僚が事前に作成したものです。
 極端な話、誰でも、大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でもできます。
実は、同じ構造が、地方議会でもあります。
















































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